2023年
著者:カバリェロ 優子
所属:宇都宮大学 共同教育学部

  • 食育・教育
  • 学童
  • 中学・高校生
  • 成人
  • その他

研究成果の概要

本研究は食品や料理の栄養学的特徴を、三次元デジタル表示技術を使って表現するシステムの開発を行うことを目的とした。牛乳や乳製品、牛乳を使用した料理や複合料理は栄養のバランスがよいといわれているが、食品群に含めることが難しい。したがって、それらの食品・料理の栄養学的特徴を視覚的に表現することができれば、学校教育や社会人向けの栄養教育や食事管理に活用できるのではないかと考えた。
2023年1月から10月にかけて、三次元上で食品や料理の栄養学的特徴を表す表示方法(3Dデジタル栄養表示)に関するアンケート調査を実施した。アンケート協力者は、栃木県内町立中学校の生徒166名と日本人を含む国内・海外在住の18歳以上 63名であった。調査結果をもとに3Dデジタル栄養表示方法の改良を行った。
ユーザーが食品や料理を選択して、それらに含まれている栄養素を確認できるような出力手段としてホームページを試作し、その出力部分に改良した3Dデジタル栄養表示を埋め込んだ。ホームページ上には主な食品・料理の写真を載せ、ユーザーがそれらの料理を選択することで、牛乳と組み合わせた一食分の栄養学的特徴がグラフ上に表示されるようにした。表示された絵は、ドラッグしながら360度回転させることができるようにして、エネルギー産生栄養素の量を3軸上から確認できるようにした。またホームページの最下部には、一食で摂取することが理想とされる栄養素の理想値を100%とした場合の過不足をパーセントで表示した。
2024年4月~5月に、栃木県内の小・中学生合計581名にホームページに関するアンケート調査を実施した。小・中学生の約8割が、3D栄養表示システムを使って学ぶことに対して肯定的に捉え、興味・関心を示し、理解しやすいと回答した。しかし、理解度を確認するテストの正答率は、小学生で15.3% (58名)、中学生で25.1% (51名)と低い値を示した。このことから、学習教材として使用するためには、それぞれの栄養素が3D栄養表示としてどのように表現されるかをていねいな説明したり、このホームページを繰り返し活用したりするなどの工夫が必要であることが示唆された。3つの食品グループまたは6つの基礎食品群と比べて、3D栄養表示システムは分かりやすいかという質問に対しては、3D栄養表示の方が分かりやすいと答えた小学生が約70% (262名) だったのに対して、中学生は55% (112名)であった。
今後はアンケート集計結果を詳細に分析し、より理解しやすい栄養表示を目指して改善していきたいと考えている。

研究分野:栄養教育 国際栄養 食育
キーワード:
3D栄養表示食品群牛乳・乳製品栄養学

2026年4月24日