牛乳アレルギー児アドヒアランス向上プログラムの作成 -心因性牛乳アレルギーの克服へ-
2022年
著者:小西瑞穂
所属:東京成徳大学 応用心理学部
研究成果の概要
牛乳アレルギーの患者は長期間に渡って、牛乳をほとんど摂取しない生活を送る。特に幼児期から学童期にかけて徐々に耐性獲得をしていく子どもが、これまで除去をしていた牛乳の味や食感などに慣れなかったり、アレルギー症状の発症への不安から牛乳自体への拒否感が強まって摂取できなくなることが臨床場面で散見される。我々はこれまでの研究において、牛乳アレルギーの治療経過中に生じる心理的要因により牛乳を摂取できない牛乳アレルギーを心因性牛乳アレルギーとして、その形成過程を明らかにし、その治療プログラムと評価尺度の作成した。また、牛乳に対する嫌悪感の形成を防ぐことを目的に、4~7歳を対象とした全8回のプログラムと各回に対応したワークブックとプログラム評価尺度として牛乳アレルギー治療に対する不安・負担感尺度を作成した。しかし、対面でのプログラム実施は、人数や場所・時間が限定されることや、感染予防の観点からも、オンラインでの実施が望まれる。そこで、プログラムを対象者が都合の良い場所と時間に実施できるよう、オンラインで提供可能な動画とワークブックを開発することを目的とし、フィージビリティ調査と効果研究を行った。
インタビュー調査の結果から、牛乳アレルギーに対する疾病知識や経口免疫療法の意義について、それらの理解を子ども・保護者共に確認することが明らかとなった。また、本プログラムが子どもと保護者のコミュニケーションツールとなり、子どもの牛乳アレルギーという病気に対する率直な気持ちを保護者が把握できることとなった。また、プログラム実施によって、牛乳アレルギーに関する不安・負担感は増加せず、理解度も維持あるいは向上したと考えられ、暫定的なデータではあるが、3ヶ月の長期的効果では不安・負担感が軽減し、理解度が向上した可能性が示唆された。本プログラムとワークブックによって、牛乳アレルギー治療に対して前向きに主体的に子どもが取り組むようになり、心因性牛乳アレルギーの予防や寛解に寄与することが示唆された。
注1:本報告書での「牛乳」という表現には「乳製品」を含む
インタビュー調査の結果から、牛乳アレルギーに対する疾病知識や経口免疫療法の意義について、それらの理解を子ども・保護者共に確認することが明らかとなった。また、本プログラムが子どもと保護者のコミュニケーションツールとなり、子どもの牛乳アレルギーという病気に対する率直な気持ちを保護者が把握できることとなった。また、プログラム実施によって、牛乳アレルギーに関する不安・負担感は増加せず、理解度も維持あるいは向上したと考えられ、暫定的なデータではあるが、3ヶ月の長期的効果では不安・負担感が軽減し、理解度が向上した可能性が示唆された。本プログラムとワークブックによって、牛乳アレルギー治療に対して前向きに主体的に子どもが取り組むようになり、心因性牛乳アレルギーの予防や寛解に寄与することが示唆された。
注1:本報告書での「牛乳」という表現には「乳製品」を含む
- キーワード:
- 牛乳アレルギー 子ども心因性牛乳アレルギープログラム予防