2018年度「牛乳乳製品健康科学」学術研究で優秀賞を受賞された神戸大学大学院人間発達環境学研究科 教授 加藤佳子先生の研究成果が、PLOS ONEに論文採択され、公開されましたので、ご紹介いたします。


〇 PLoS ONE 17(12): e0279232.  https://doi.org/10.1371/journal.pone.0279232    

【タイトル】Relationship between dairy product intake and sense of coherence among middle and high school students in Japan.
 
【要約】
乳製品の摂取によるストレス緩和効果が注目されている。しかしストレスレジリエンスとの関連については、十分な解明が進んでいない。そこで中高生を対象に、食品群別摂取量とストレスレジリエンスとの関連を調べる横断研究(研究1)と縦断研究(研究2)を行った。研究1では865名(男性412名、女性453名)を対象に、研究2では109名(男性51名、女性58名)を対象に質問紙調査を行った。食品群別摂取量は簡易型自記式食事歴質問票により、ストレスレジリエンスはSense of coherence(SOC)により評価した。まず研究1で食品群別摂取量とSOCの相関係数を算出したところ、SOCと関連があったのは乳製品のみであった。そこで研究2で乳製品がSOCに及ぼす影響を交差遅延パネルモデルにより検証した。その結果、関連性は弱いものの乳製品の摂取量がSOCに関連していた。さらに因果関係を検討するためには、無作為化比較試験を行うが必要がある。

▼研究報告書

2023年11月9日