2016年
著者:堀北 哲也
所属:日本大学生物資源科学部 獣医学科

  • 社会文化
  • 歴史

はじめに

 第二次世界大戦前の1938(昭和13)年から終戦の1945 年にかけて、茨城県に満蒙開拓青少年義勇軍の訓練所が開設され、15 歳から18 歳の青少年が満州(現、中華人民共和国東北部)を開拓すべく訓練を受け、86,350 人が満州に渡った。しかし訓練中に終戦を迎えた者たちは、郷里に戻ったり、あるいは日本各地に入植したりした。この訓練所で終戦を迎えた者たちのうち172 人が終戦直後の昭和20(1945)年、千葉県四街道市鹿放ケ丘(ろっぽうがおか)地区に入植し、その後も営々と彼ら自身のライフサイクルを営みながらこの地で暮らしている1-3、7。
 本研究は、当該開拓団の構成員(本人、妻、2 世)20 名からの個人史の口述記録をもとに、昭和から平成にかけての鹿放ケ丘地区の開拓の歴史を記録することを目的としている。彼らは鹿放ケ丘に入植後、この地を開墾し、家を建て、妻をめとり子供や孫をもうけ、現在86 歳から89歳になり、元気にその余生を送っている。この調査の目的は、彼ら、開拓者たちのライフヒストリー(個人史)をインタビューすることで、歴史の流れの中で自分たちの人生を営んできた開拓者たちの生を記録することである。
 
※平成28年度「乳の社会文化」学術研究

2017年12月11日