2015年
著者:西原彰宏
所属:亜細亜大学

  • 社会文化
  • マーケティング

要旨

 本研究「小売業における牛乳PB 展開を通した売場活性化に向けて」は、牛乳(類)PB ならびにその売り方を通じた牛乳売場の活性化に対する施策を導出するために、乳業メーカー(中小、大手)やスーパーへのヒアリング、消費者へのアンケート調査を行った。本研究から導出された主な施策は以下の3 点である。
 1 点目は、牛乳の飲用方法を踏まえた上での売場提案であり、例えば、地域密着乳業メーカーとの付加価値型牛乳PB の商品開発や、消費者ニーズを踏まえた牛乳売場における混入飲用提案(クロスMD)である。2 点目は、地域特性を踏まえた売場提案である。具体的には、食品スーパーは、他店との差別化を図る上でも地元の乳業メーカーの品揃えを充実させ、卸、地元乳業メーカーと連携し、鮮度が高く、安全な牛乳PB の商品開発などが挙げられる。3 点目は、小売フォーマットを意識した牛乳PB の商品開発である。例えば、価値共創型のフォーマットには、「高品質」と「値ごろ感」、価格重視型のフォーマットには、「品質」と「価格の安さ」などを重視した商品開発が考えられる。
 本研究から導出されたこれらの施策を小売業やメーカーが実装するためには、より具体的なプロモーション様式や、パッケージデザインなどを構築していく必要があると思われる。これらの点は今後の研究課題である。しかしながら、本研究は、現代における牛乳類を取り巻く諸環境に対して、消費者視点も含めた多様な視点から再検討したものであり、今後の牛乳類市場の発展に対して示唆に富んだ内容になっていると考える。
 
※平成27年度「乳の社会文化」学術研究

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2017年12月11日