被災地産乳の需要回復につながるリスクマネジメントの解明 -リスクマネジメント教育により福島県産に対する評価はどこまで回復するか?-
2013年
著者:竹下広宣
所属:日本大学生物資源科学部
要旨
本研究では、現行リスクマネジメント下における、福島県産需要の回復の程度を明らかにすることを課題とし、フォーカスグループ調査を実施した。調査では、消費者にリスクマネジメント教育を行い、値付け実験に取り組んだ。そして、被験者がリスクマネジメントを理解することで、福島県産に対する評価をどのように更新するかを、値付け実験結果の推移をもってとらえた。また、集団規範への同調性(comformity)実験も行った。分析の結果、以下のことが明らかとなった。リスクマネジメントの理解不足を起因とする福島県産評価低下の完全消失は、大阪では、現行リスクマネジメント下で実現され、東京ではリスクマネジメントの拡充の下で実現される。ただし、消費者がリスクマネジメントを理解しても福島県産乳需要は完全には回復しない。リスクマネジメント拡充の必要性が認められるのは、地域、製品ともに限定的である。また、福島県産を回避している消費者は、周囲は福島県産を回避していないという情報を得ると、子供が食べる分の購入に際して、これまで以上に回避の傾向を強めると予想される。
書籍ページURL
https://j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000jgqy.html
書籍ページURL
https://j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000jgqy.html