2013年
著者:小林国之
所属:北海道大学大学院 農学研究院

  • 社会文化
  • 酪農経済・経営

要旨

本研究は、放牧酪農への新規参入者を支援する酪農家などによる自主的グループの役割を明らかにすることで、新規参入者の拡大、定着による放牧酪農の発展に寄与することを目的として、北海道内における酪農家の自主的グループの役割及び新規参入者の経営確率過程におけるパーソナルネットワークに注目をして研究を行った。
その結果、新規参入者のパーソナルネットワークは、就農までのプロセスが大きく影響を与えること、そしてそのプロセスにおいて自主的ネットワークでのつながりは、ネットワークの形成に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
また、就農後の年数の経過に伴って、ネットワークの質は、「教えてもらう」というものから「つなげる」、「発信する」、「刺激を受ける」というものに変質すること、さらに農業経営以外の地域社会へのゲートキーパーとなるネットワークの重要性が明らかとなった。
この結果を踏まえて、今後の支援方策へのインプリケーションとしては下記の点を指摘した。①新規参入初期のネットワークに影響を与える就農までのプロセスにおいて、各個人の研修成果(ネットワーク)を新規参入者支援者の間で共有するための仕組み、②地域社会へのゲートキーパーの役割の明確化、③新規参入者が見落としがちな「兆候」をみつけるため、経験があり信頼関係のある放牧酪農家による定期的な牧場訪問。

書籍ページURL

https://j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000jgqy.html

2015年9月21日