日本の食文化における乳・乳製品の浸透拡大可能性の検討 -海外の乳文化を参考にして-
2013年
著者:平田昌弘
所属:帯広畜産大学
要旨
本研究課題では、日本での牛乳・乳製品の新しい商品開発と消費増加に貢献するために、1)これまで調査を実施してきた諸外国での乳・乳製品とその利用実態を再整理し、2)海外での乳・乳製品とその利用法を基にした新しい乳文化を提案することを目的に研究活動をおこなった。分析対象とした地域は、乳文化圏から西アジア(シリア)、南アジア(インド)、北アジア(モンゴル)、非乳文化圏からは東南アジア(インドネシア)である。乳文化圏での事例から、「つくりたてのバターの瑞々しさ」「バターオイルでの保存の簡易性」「バターミルクの飲用として利用」「乳・乳飲料のスタンドバー型販売/宣伝」「ヨーグルトのスタンドバー型販売/宣伝」「米食に合わせた乳製品開発」「バターオイルの利用可能性」「チーズの乳菓としての開発」「濃縮乳の応用開発」「クリームの利用開発」「ヨーグルトの利用法の開発(夜に熟睡を意図して摂取)」「ホエイも一緒に煮詰めてつくったチーズ」「馬乳酒風の発酵乳の開発:女性の健康美」が、日本型乳文化の形成にむけた提案として抽出された。日本を含めた非乳文化圏への乳文化の浸透・変遷(適合)の仕方は、1)嗜好品、2)補助栄養食、3)西欧型の食文化、4)米との融合、5)発酵食品との融合の5つの要点に集約された。本研究で提案した海外の事例から抽出された乳文化のアイデアを、この5つの乳文化の浸透・変遷(適合)の型に準拠しながら、日本の嗜好体系やライフスタイルに合うようにアレンジを試みると、必ずしや新しい日本型乳文化が誕生し、乳製品の消費拡大につながるものと考えられる。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000jgqy.html
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