2013年
著者:小久保喜弘
所属:国立循環器病研究センター予防健診部

  • 健康科学
  • 生活習慣病予防

要旨

都市部地域住民を対象とした吹田研究を用い、1回あたりの乳製品の量とその頻度を調査し、その後のメタボリックシンドロームと頸動脈硬化の進展について男性2,774名、女性3,060名を平均8年間の追跡研究を行い検討した。牛乳、チーズの摂取頻度が高い女性でメタボリックシンドローム罹病リスクと低HDLコレステロール血症罹病リスクが減少し、頸動脈硬化の進展の度合いが小さく普通・高脂肪乳でも同様の傾向であった。低・無脂肪牛乳の摂取頻度が多いと男性でメタボリックシンドロームと高血糖の罹病リスクが、また女性では高中性脂肪血症の罹病リスクが減少し、低脂肪チーズの摂取頻度が多い女性ではメタボリックシンドロームと高中性脂肪罹病リスクが減少した。普通・高脂肪乳によるメタボリックシンドロームまたはその構成要素の罹病リスクが上昇することはなかった。しかし、ヨーグルトの摂取量が多い男女で頸動脈硬化の進展が大きく、特に普通・高脂肪ヨーグルトでその傾向が男性で見られた。

書籍ページURL
https://j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000jgmy.html

2015年9月18日