ビタミンD強化牛乳がビタミンD栄養状態に与える効果の検討
2013年
著者:鈴木良雄
所属:順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科
要旨
学生寮に居住する女子大学生を対象にVD 栄養状態を把握するとともに、8週間VDを強化した牛乳を摂取したときのVD栄養状態に与える影響を確認することを目的に実験を行った。49名の女子大生にVD 強化牛乳(2μg/180ml/日)を1日に1本ずつ8週間摂取させ、試験の前後に採血、食事調査、骨密度測定を行った。VD牛乳摂取前の血中25-OH-VD濃度は、23.1±4.7ng/mlであり、全体の32.7%(16/49)の被験者が、VD 欠乏状態とされる20ng/ml以下であったが、8 週間の摂取後は36.0±8.1ng/ml(24-64ng/ml)に上昇し(P=1.4×10^-19)、欠乏状態の者はいなくなった(P<0.001)。このとき、高カルシウム血症を示す被験者は1名もなく、VD過剰摂取による副作用は観察されなかった。VD 強化牛乳の摂取により、Caは上昇しPTHは減少し、またBAPとNTxはともに減少した。このことから、VD 強化牛乳の摂取は食品からのCa 吸収を促進し、骨からのCa 吸収を抑制することでVD 栄養状態を改善したと考えられた。また、本研究でのVD強化牛乳の摂取率は全員が80%以上(49 名中35名が100%)であり、1日1本の牛乳の摂取はVD等の栄養素の補給に適していると考えられた。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000jgmy.html
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