牛乳乳製品摂取量と睡眠・疲労・健康感に関する一般人口調査研究
2015年
著者:岡島義
所属:早稲田大学人間科学学術院
要約
これまで、牛乳乳製品による身体的、精神的機能へのポジティブな影響が指摘されているものの、牛乳乳製品の摂取が健康にどの程度の影響を及ぼすかに関する検討は不十分であった。本研究では、牛乳乳製品の摂取が、睡眠、抑うつ、健康感(QoL)に及ぼす影響について検討することを目的とした。研究1 として、一般成人1,902 名( 平均年齢28.0 ± 10.3 歳)を対象に牛乳乳製品の摂取量と睡眠の関係について調査を行った結果、年齢に関しては牛乳乳製品の高摂取(High)群の方が低摂取(Low)群に比べて起床時刻が早く、睡眠時間は短く、日中の覚醒困難感が低かった。研究2 では、1 万人を対象に行ったインターネット調査のうち、牛乳乳製品とソフトドリンクの高摂取者2,783 名(平均年齢46.4 ± 13.3 歳)を対象に、牛乳乳製品の摂取量の高さが睡眠習慣、および日中の眠気、抑うつ感、QoL に及ぼす影響について検討を行った。その結果、睡眠に関しては、牛乳乳製品を摂取している者(牛乳群,乳製品群)の方が、ソフトドリンクを多く摂取している者(ソフトドリンク群)よりも平日の就床—起床時刻が早く、睡眠の質や日中の覚醒度も良好に保たれていることが分かった。朝型夜型傾向尺度の結果からも、牛乳群,乳製品群は、ソフトドリンク群よりも朝型傾向にあることが明らかにされた。また、牛乳群、乳製品群の方が、抑うつ症状が低く、身体的・精神的なQoL が高いことが明らかとなった。以上のことから、牛乳乳製品の摂取量が多い者は、睡眠覚醒リズムが安定していること、そして、日中の精神的、身体的健康感が高いことが明らかとなった。
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