朝食時牛乳摂取の精神衛生増進効果及び睡眠健康増進効果は幼児期に絶大なのか?
2014年
著者:原田 哲夫
所属:高知大学教育研究部人文社会科学系教育学部門
要旨
本調査研究は2つの項目から成る。
1) 幼児を対象とした質問紙による基礎調査、及び、介入フィールド調査
研究目的
朝食でのタンパク質摂取は、幼児や大学生の朝型化、睡眠健康や精神衛生の増進につながる。今回、朝「牛乳」摂取に注目し、高知市内の乳幼児およびその保護者を対象に総合質問紙による基礎調査を行った。次に高知大学教育学部附属幼稚園に通う園児とその保護者を対象に、「朝牛乳で実現しよう!早ね、早起き、朝ごはんで3つのお得」リーフレットを配布し、その内容に沿った取組を要請すると共に、21日間牛乳パック(200ml)を配布し、朝飲むよう要請した。介入効果を、特に朝牛乳摂取に着目し、介入前後の質問紙によって検証した。
研究協力者と方法
市内の幼稚園・保育園に通う幼児(2-6歳)とその保護者に2014年7月、無記名質問紙基礎調査を実施した(配布:1122、回収:582、回収率:51.9%)。質問紙回収後、基礎調査を行った幼稚園の園児(2-6歳)とその保護者に、リーフレットを配布し、21日間その内容への取組と配布牛乳の幼児朝飲用を要請し、その3ヶ月後に事後質問紙調査(ID番号使用)を実施した(配布:111、回収:76、回収率:68.5)。質問紙は睡眠習慣、食習慣、牛乳摂取習慣、概日タイプ度(簡易ME 値)、精神衛生、介入中やその後の介入項目実施状況などの質問から構成された。分析には、SPSS 社製統計ソフト(12.0 J Windows; SPSS Inc. Chicago, IL, USA)を用いた。
2) 大学生を対象とした介入フィールド実験
研究目的
本調査では、大学運動部所属の大学生を対象に、約20日間の朝牛乳摂取介入が概日タイプ・睡眠習慣・競技パフォーマンスに影響を及ぼすのかを検証する。
研究協力者と方法
大学運動部所属の大学生(73名)を対象に、21日間(2014年11月12日~2014年12月10日)牛乳を配布し、朝(10時前までに)摂取してもらうように依頼した。また、同運動部の20名を対照群とし、牛乳を配布しなかった。その期間の直前と1カ月後の計2回、質問紙調査を実施した(回収率81.6%)。質問紙は、睡眠習慣、概日タイプ度(簡易ME値)、食習慣に関する項目を含んだ。さらに、介入開始後10日後及び21日後に、介入直前と比較して自身の競技パフォーマンスが変化したかを尋ねるパフォーマンス評価アンケートを実施した。また、介入群と非介入群の各12名に、介入直前、介入開始10日後、介入終了日の22:00と23:00に唾液検体の採取を行うよう依頼し、唾液メラトニン濃度を測定した。各項目毎、及び、各項目間の分析には、SPSS社製統計ソフトSPSS(12.0 J for Windows; SPSS Inc., Chicago, IL, USA)を用いた。
研究協力者と方法
大学運動部所属の大学生(73名)を対象に、21日間(2014年11月12日~2014年12月10日)牛乳を配布し、朝(10時前までに)摂取してもらうように依頼した。また、同運動部の20名を対照群とし、牛乳を配布しなかった。その期間の直前と1カ月後の計2回、質問紙調査を実施した(回収率81.6%)。質問紙は、睡眠習慣、概日タイプ度(簡易ME値)、食習慣に関する項目を含んだ。さらに、介入開始後10日後及び21日後に、介入直前と比較して自身の競技パフォーマンスが変化したかを尋ねるパフォーマンス評価アンケートを実施した。また、介入群と非介入群の各12名に、介入直前、介入開始10日後、介入終了日の22:00と23:00に唾液検体の採取を行うよう依頼し、唾液メラトニン濃度を測定した。各項目毎、及び、各項目間の分析には、SPSS社製統計ソフトSPSS(12.0 J for Windows; SPSS Inc., Chicago, IL, USA)を用いた。