乳の社会文化ネットワーク幹事である前田浩史氏、日本酪農乳業史研究会の矢澤好幸会長の編著による「東京ミルクものがたり」(農文協発行)が上梓されました。


 内 容
 明治維新後、急速に日本国内で発展したミルク文化の中心は、消費者である外国人が多く暮らした東京にありました。明治期の東京は、現代の酪農乳業である「牛乳搾乳業者」、乳牛飼養頭数が全国的にも最も多く、まさに“酪農王国”だったといえます。しかし、明治期以降の都市化により、大正・昭和の時代の変遷と共に都内の牧場は郊外から他県へと移行していったことで、現代の東京でそのことを実感できる機会は少なくなってしまいました。そこで、これまで日本酪農乳業史研究会や乳の社会文化ネットワークなどによる産業史の収集・整備、市民活動グループ「ミルク一万年の会」による東京酪農乳業の記憶を拾い集めた活動などにより蓄積された情報を整理し、東京における酪農乳業に関する変遷のドラマを読み解くとともに、現存する史跡や「ゆかりの地」を巡るためのガイドブックとしても活用できる内容で構成されています
【編著】前田浩史・矢澤好幸 【編集協力】國分重隆、高宮英敏、和仁皓明 【企画】一般社団法人Jミルク 【発行】一般社団法人農山漁村文化協会 【ISBN】978-4-540-21181-2 【定価】1,760 円(本体1,600+消費税) A5判132 頁カラー

 目 次

【第1章】東京酪農乳業史跡ガイド(4つの散策コース)
① コース:明治維新~ミルクの足跡探訪
② コース:古代につながる明治期~ミルクの足跡探訪
③ コース:明治後期から昭和初期~ミルクの足跡探訪
④ コース:農業近代化の足掛かりを探る歴史散策

【第2章】東京23区酪農乳業史跡27めぐり
1.芥川龍之介生誕の地・耕牧舎東京本社跡地/2.東京酪農誕生の地/3.北辰社牧場跡地/4.伊藤左千夫の住居・牧場跡地/5.左千夫墓碑/6.エドウィン・ダン(墓碑)/7. 野馬方邸役所跡/8.神崎の牛牧跡地/9.私立獣医学校発祥の地/10.平田牧場跡地/11.疫牛供養塔/牛屋横丁跡地/13.高田牧舎ミルクホール跡地/14.島田牧場跡地/15.積田牧場大谷口搾乳所跡地/16.開拓使仮学校跡地/17.グラントの松/18.七星舎牧場跡地/19. 開拓使第三官園跡地/20.近代農学発祥地・ケルネル田圃・駒場農学校跡地/21.四谷軒牧場跡地/22. 愛光舎牛乳店跡地/23.長崎屋跡地/24.岩山敬義顕彰碑/25.浮島の牛牧/26.前田留吉一族墓地/27. 北辰社牧場古井戸

【第3章】東京酪農乳業の誕生小史
1.牧場の広がり 明治~大正東京都心部から郡部へ/2.東京に乳文化が誕生した背景/3.明治政府の畜産政策/4.東京に牛乳搾取業が誕生/5.牛乳番付表でみる搾乳業者一覧/6.牛乳搾取業の特徴と経営収支/7.明治初期に牛乳搾取業を先導した牛乳店 阪川牛乳店・北辰社・愛光社・耕牧舎新宿牧場ほか/8.東京の牧場の風景明治/9.都心の酪農の終焉と郊外へ移動/10.東京酪農おもしろヒストリー 

▽ 農文協・田舎の本屋(オンライン販売)
https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54021181/

2022年4月22日