2024年度「牛乳乳製品健康科学」学術研究として実施している「大学硬式野球部員における夏期トレーニング時の牛乳による熱中症予防-介入研究」(中部大学 生命健康科学研究科 生命健康科学部 伊藤守弘先生)の研究成果の一部が、Journal of the International Society of Sports Nutritionに原著論文として受理され、公開されましたのでご紹介いたします。


J Int Soc Sports Nutr 2025; 22(1): 2459090
[PMID: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39898580/#abstract
 DOI: https://doi.org/10.1080/15502783.2025.2459090

【論文タイトル】
Survey of nutritional intake status in college baseball players.

【要約】
アスリートのパフォーマンスとコンディションの維持・向上のためには、十分なエネルギーと栄養素を摂取することが重要であり、アスリートは、自身の栄養摂取状況を理解する必要がある。本研究は、食物摂取頻度調査(FFQ)を用いて、大学野球選手の栄養摂取状況を調査し、それぞれの競技レベル(一~四軍)における栄養摂取状況の特性を評価した。その結果、炭水化物、カルシウムなど多くのミネラル、不溶性食物繊維、穀物、砂糖、乳製品の摂取量は、三、四軍の選手に比べ、二軍の選手が有意に高いことが示された。また、全体として総エネルギー量、タンパク質、脂肪、炭水化物、食物繊維、カルシウムなどの栄養素および、いも類、豆類、野菜、果物、卵、牛乳などの食品群の摂取不足が明らかになった。 大学生アスリートは学業とスポーツの両立が求められ、また、プロアスリートとは異なり、栄養指導やサポートを受ける機会は限定的である。したがって、大学野球選手の摂取エネルギーや栄養の不足を改善するためには、組織的かつ戦略的なサポートを実施することが不可欠である。本調査結果より考えられる改善戦略のひとつとして、たんぱく質、脂肪、ビタミンB1など栄養素を豊富に含み、かつ手軽に摂取できる『牛乳』を毎日の食事に追加することが推奨される。 本研究の成果は、大学生アスリートの栄養摂取における問題を把握し、最適なサポートの戦略開発に有益な情報を提供するものである。
 

  • 本研究は2024年度「牛乳乳製品健康科学」学術研究によりおこなわれたものとなります。

2025年2月27日