平成30年度(2018年度)に「食と教育」学術研究に採択された、大阪市立大学大学院 教授 由田克士先生の研究チームの研究成果が「Journal of The Japan Dietetic Association」に掲載されましたので、ご紹介いたします。


【誌名】Journal of The Japan Dietetic Association Vol.64 No.12 p29-38, 2021
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjda/64/12/64_701/_pdf/-char/ja

【論文名】
管理栄養士課程学生における災害時の栄養支援をテーマとした総合演習実施前後の災害に関する知識・備蓄行動状況の変化

【著者】
出口美輪子1),2)、本郷翔子1),2)、早見直美1),2)、安井洋子1),2)、上田由喜子1),2)、 湯浅(小島)明子1),2)、由田克士1),2)、福村智恵1),2)
1)大阪市立大学大学院 生活科学研究科 食・健康科学講座
2)大阪市立大学 生活科学部 食品栄養科学科

【要旨】
管理栄養士養成課程4年次の総合演習において、災害時の栄養支援をテーマとした演習を実施し、その前後における学生の災害に関する知識・備蓄行動状況の変化について検討した。2018年4~12月の間にO大学の管理栄養士養成課程4年生33人を教育群とし、演習の事前(4月)と事後(12月)にそれぞれ無記名自記式質問紙調査を行った。対照群として他の公立大学管理栄養士養成校4校(計140人)に協力を仰ぎ、同時期に事前・事後調査を実施し、教育群と比較した。教育群では演習実施後の災害に関する知識(避難所における食事提供の計画・評価のための栄養の参照量、被災地への管理栄養士の派遣、ローリングストック法、1人1日当たりの備蓄用水の必要量等)の状況が向上し、演習後に備蓄行動をする者が増加したが、対照群では変化が認められなかった。各大学の災害に関する教育内容の違いや被災経験の有無が知識・備蓄行動状況に影響していることが推察された。

キーワード:管理栄養士養成課程、災害、食支援、炊き出し演習

【参考】

2021年12月20日