子どもの食体験の広がり:「ステファニーアレクサンダーキッチンガーデンプログラム」の成果 [Expanding Children's Food Experiences: The Impact of a School-Based Kitchen Garden Program ]
2013年
著者:Gibbs, Lisa; Staiger, Petra K.; Johnson, Britt; Block, Karen; Macfarlane, Susie; Gold, Lisa; Kulas, Jenny; Townsend, Mardie; Long, Caroline; Ukoumunne, Obioha
所属:University of Melbourne(第1著者所属)
雑誌名・年・巻号頁:Journal of Nutrition Education and Behavior v45 n2 p137-146 2013
要旨
本研究の目的は、「ステファニーアレクサンダーキッチンガーデンプログラム」が、多様で、健康的な食物に対する子どもの認識をいかに高めたか、その達成状況を評価することにある。本研究は、2年間にわたる比較研究を通じておこなわれた。オーストラリアのビクトリア州の農村もしくは大都市にあり、社会経済的地位と規模が適合する6校の小学校を比較対象として、6種のプログラムを実施した。プログラムの参加者は、3年生から6年生までの、全体で764人の子供(年齢8-12歳)と562人の保護者である。追跡調査の継続率は、子どもたちが85%、保護者が75%であった。各年とも、子どもたちは週1回、45~60分を使って菜園での作業をおこない、90分を使って調理実習を行った。本プログラムは、子どもたちが食べたことのない食物を食べることを試みることや、食物について説明する能力を身につけること、健康的な食事をしようとすることへの意欲に影響を与えたといえる。分析の方法は以下のようであった。定性的データについては、帰納法的主題分析を用いて分析し、定量的データは、学校のクラスタリングに応じて、変量効果の線形回帰モデルを用いて分析した。その結果、子どもと保護者の定性的分析の結果及び定量的な分析の結果ともに、新しい食物を試みようとする子どもたちの意欲の増加を示した。食品の説明能力については差異がなかった。定性的な検証結果は、プログラムが健康的に食事をすることにまで影響を与えていることを示したが、この点について定量的な分析では根拠が得られなかった。以上の調査結果は、プログラムが主要な目標を達成したこと、また、さらに本プログラムの研究を進める価値があることを示すものといえる。
〔参考〕「Stephanie Alexander Kitchen Garden Foundation」 http://www.kitchengardenfoundation.org.au/index.php
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000nv9r.html
〔参考〕「Stephanie Alexander Kitchen Garden Foundation」 http://www.kitchengardenfoundation.org.au/index.php
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000nv9r.html