2013年
著者:Wistoft, Karen
所属:Wistoft, Karen
雑誌名・年・巻号頁:Journal of Adventure Education and Outdoor Learning v13 n2 p125-141 2013

  • 食育・教育
  • 学童

要旨

Gardens for Bellies(お腹のための庭)は、デンマークのシェラン島北部にあるクローウロプ農場における学校有機菜園プロジェクトであり、子どもたちに、屋外の自然環境下での直接的な経験を提供しようとするものである。このプロジェクトの意図は、子どもたちの諸能力と彼らの自然や農業、調理に関する知識を伸長させることにある。本論文は、教育学者による定量的な研究のみならず定性的な研究に基づき、"Gardens for Bellies"の新たな教育的価値を明確にすることを目的とするものであった。評価結果からは、野外での経験や楽しみと学習効果が相関関係にあることが明確になった。野外学習のプログラムや環境は、デンマークの州立学校におけるナショナル・カリキュラムを個性化するとともに、学際的で、楽しみながら学習を実践する可能性を切り開くことにつながるといえる。重要な成果としては、"Gardens for Bellies"のプログラムに参加した子どもたちの学習意欲が高められたことが挙げられる。また、彼らが獲得した諸能力には、科学に直接的に関連するものや、言語や数学、歴史、体育など学校のその他の教科に関係するものがあった。保護者らも、"Gardens for Bellies"の学習効果を認め、日常的な学校教育を有効的に補足するものと認識していた。子どもたちの学習に対する意欲は、教師らが示す情熱と相関的な関係にあった。現地では、それぞれの人々が、野菜や畑に対する愛を示していた。また同様に、教師らは、教えるという行為への情熱を持ち、さらにその情熱を子どもたちに示そうとする熱意が一体となり倍増された愛に溢れていた。これらの対象や行為についての愛が、子どもたちに確かに伝わったことは、彼らの学習意欲がなぜ喚起されたのか、その理由を明示しているといえるだろう。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000nv9r.html

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2015年9月21日