2013年
著者:Gates, Michelle; Hanning, Rhona M.; Gates, Allison; McCarthy, Daniel D.; Tsuji, Leonard J. S.
所属:University of Waterloo, School of Public Health and Health Systems(第1著者所属)
雑誌名・年・巻号頁:Journal of School Health v83 n2 p69-76 2013

  • 食育・教育
  • 成人

要旨

背景:カナダ先住民の若者は、一般住民と比べて、食事の質が悪く、過体重や肥満の者の割合が高い。本研究の目的は、カナダ・北オンタリオに位置するカシェチワン(Kashechewan)及びアタワピスカト(Attawapiskat)の先住民の若者を対象として、単に食品を配布するというプログラムが、牛乳及び乳代替品の摂取に及ぼす影響を評価することであった。
方法:2009年5月に、カシェチワンにある調査協力校にて間食プログラムを開始した。このプログラムでは、コーディネータ育成や助成金申請書類の書き方支援も行った。2010年2月には、アタワピスカトにて、牛乳及び乳代替品プログラムを追加で開始した。食事摂取量の変容については、6年生から8年生において、事前及び事後(プログラムの1週間後)にウェブ上での24時間思い出し法により評価した。カシェチワンでは1年後に追跡調査も実施した。児童・生徒の感想は、1週間後にウェブ上で自由記述にて回答させた。教師及びアドミニストレータの感想は、1年後、カシェチワンのフォーカス・グループより得た。
結果:1週間後、カシェチワンにおいてカルシウム摂取量が有意に増加した(805.9±552.0mgから1027.6±603.7mg、p=0.044);しかし、改善の効果は1年後、持続していなかった;牛乳及び乳代替品(1.7±1.7サービングから2.1±1.4サービング、p=0.034)やビタミンD(2.5±2.6μgから3.5±3.4μg、p=0.022)の摂取量は、アタワピスカトにおいて有意に向上した。本プログラムに対する感想は好意的なものであったが、1週間の試験的段階において間食配布を維持・継続する上で、限られたリソース、人材、施設設備、財源が隘路となった。
結論:これらの実践例は、僻地に暮らす先住民の若者を対象とした牛乳及び乳代替品の低摂取に取り組んだ間食プログラムの可能性を示している。プログラムの恩恵を持続させるためには、コミュニティ・レベルの制約に切り込んでいく必要がある。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000nv9r.html

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2015年9月21日