栄養に関連した健康教育政策は国や州，さらには地方レベルにおいては存在する。しかしながら，これらの政策が学校における健康教育を指導する教員の日々の実践にどの程度影響を与えているかは不透明である。本研究において以下の点を明らかにすることを目的に検討を行った。まず，検討を行った学区において影響を与えた栄養関連の健康教育政策の基盤を検討した。また，教師がそれらの栄養政策をどの様に受け止めているか，またそれらの政策が教師の指導実態にどの様な影響を与えているか検討した。さらに，包括的な栄養教育を実行する際に教師が困難に感じていることを明らかにした。研究は米国中西部の1市街地での24の中学校から27人の健康教育の指導者の教育的視座や展望を検討するためエスグラフィー法(＊1)を使用した。データは、学校での観察，インタビューと文献調査を通じて収集した。我々は、栄養関連の教育政策が健康教育教師の指示を支配していることに気が付いたが、教師らはこれらの政策を知らなかった。制度の一貫性と明確な指示文はなく，健康教育の教師らは栄養に関するコンテンツがほとんどないことや，内容や専門能力の開発の必要性，教育資源さらに行政の責任について言及した。これらの結果は、多くの都市の学校がもつ課題と，栄養教育についての専門能力開発の必要性を論じている。
*1文化人類学分野で用いられる調査研究方法

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