2008年
著者:Zhigang Wangaa, Yanna Maoaa, Fred Galebb,
所属:Renmin University of China, 59 Zhongguancun Ave., Haidian District, Beijing, PR China Economic Research Service, US Department of Agriculture, 1800 M St. NW, Washington, DC, USA
雑誌名・年・巻号頁:Food Policy 33(2008) 27-36

  • 社会文化
  • マーケティング

<要約>

 途上国の消費者が食品の安全生を求め始めていることについてはほとんど知られていない。アンケートを用いたこの研究においては、食の安全性リスクを減らすための品質管理システムであるHACCCPを用いて、乳製品に対する消費者の認識、進んで支払う価格やプレミアム価格の調査結果を示している。中国の食品加工業者は当初、HACCP認証を輸出するために求めたのだが、今やHACCPは、一連の食品に関する事件を経て、国内の製品に対しても急速に普及しだしており、HACCPのロゴが中国製品のラベルの上に表示されるようになった。北京の消費者を調査すると、HACCPを知っていたのは回答者の5人に1人以下だった。そしてHACCPを聞いたことがあると答えた大半が「知ったのは1年以内」と回答した。HACCPを認識した後では、ほぼ全ての回答者がHACCP認証を受けた製品に少しばかり高い価格を支払ってもよいと考えるようになった。北京のスーパーマーケットではHACCP認証を受けた製品が、他の製品の特徴が同レベルとして、認証ラベルのない製品に比べて約5%高く売られている。この調査の結果は、食の安全性が中国消費者には必要な特徴になりつつあり、ブランド価値形成にも貢献していることを示している。

<コメント>

 途上国での安全性意識が高まっているのを受け、安全性をキーワードとした日本の乳製品の輸出マーケティングをもっと活用すべきである。中国で日本の粉ミルクが人気が高いように生乳のみならず、加工品の輸出をもっと追求することを考える段階になってきている。

書籍ページURL https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000j5tk.html

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2015年9月21日