2012年
著者:足立 達
所属:東北大学名誉教授
雑誌名・年・巻号頁:酪農乳業史研究 6号.2012年2月.pp21-30

  • 社会文化
  • 歴史

<要約>

日本での最初の公定乳脂肪率容量法は、1859年にフランスの薬剤師マルシャン等が確立し、1885年に正式に認知された。マルシャン法は25年以上利用されてきた。東京での飲用牛乳の急速な普及でガラス器具技術が発展し、乳脂肪検査の技術革新が始まった。封建的な江戸幕府では進まなかった技術や建造物の革新が始まり、「和漢方薬種」問屋の普及が1820年頃より盛んになった。明治期には西洋医学の伸展と漢方薬が混在し、ガラス器具業者から新技術が広まった。明治政府(1868年)は、幕末の財政家として著名であった三岡八郎(由井公正)と横浜でヨーロッパ搾乳技術を習得した前田留吉を、乳業の事業化と支援推進者に任命した。松本良順(松本順)は飲用牛が国民の健康維持に効果あることを説いていた。未加熱の生乳が流通し、社会問題化するのは時間の問題であったことが示されている。
キーワード;「和漢方薬種」問屋、搾乳号の普及、三岡八郎、前田留吉、松本良順

<コメント>

乳固形分中では脂肪分が二番目に多く、乳利用上の重要成分として脂肪率が乳価決定に反映された。乳脂肪率容量式測定法の決定経過がほうこくされている。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000j5tk.html

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2015年9月21日