ケニアのマサイ族発酵乳に関する研究の展望 [Progress in the research on the Maasai traditional fermented milk in Kenya ]
2008年
著者:宮本 拓
所属:岡山大学大学院自然科学研究科
雑誌名・年・巻号頁:酪農乳業史研究 3号.2010年2月.pp1-7
<要約>
マサイ族はケニア南部からタンザニア北部にまたがる東アフリカのリトルバレー地帯に住む遊牧民で、ナイル川方面から南下してきたらしい。マサイ族では、祖先は牛に乗り天から下がったと伝えられ、うしとは切り離せない生活の歴史がうかがえる。発酵に使用する容器はヒョウタンが使われ、ヒョウタン内部は火の点いた棒で擦り乾燥する。生乳を満たした容器は動物の皮で口を閉じ、3~5日間を室温で自然発酵して作られていた。東アフリカの牧畜部落では、発酵乳は健康上有効であることが知られ、その消費が続いていた。伝統的な発酵乳は複数の微生物から安定したフローラが形成され、微生物同士の共生や拮抗が環境要因の影響で安定的に生成したと考える。本報告は、ケニアの伝統的発酵乳に関する研究調査の経過をまとめたものである。 キーワード:マサイ族発酵乳、伝統的発酵乳、乳酸菌フローラ、ヒョウタン容器
<コメント>
国際協力事業団の派遣専門家として、ケニア・マサイ族の伝統的発酵乳に関する研究の進展状況をまとめていた。古くから乳製品製造技術を保有している実態に感嘆した。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000j5tk.html
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