2009年
著者:足立 達
所属:東北大学名誉教授
雑誌名・年・巻号頁:酪農乳業史研究 創刊号.2008年10月.pp28-40

  • 社会文化
  • 歴史

<要約>

 本論文では、日本の乳脂肪率の日常的測定について史的展開を技術面からの考察を取りまとめた。1891年、初期の乳質検査法は容量式脂肪率法でマルチャント検乳計であった。乳脂肪率を用いる方法で、マルチャント法は測定精度に問題があった。ゲルベル法は1892年から1910年まで、乳脂肪率の検査法として認められていた。ブチロメーターに15℃の比重1.820~1.825の硫酸10ml、牛乳11ml、アミルアルコール1mlを順次加えて、密栓し、振盪する。ブチロメーターを65℃の水中に15分静置した後、700回転/分で3~5分遠心分離をする。ブチロメーターを65℃の温水に数分浸漬後に脂肪率を読み取る。操作手順は100年後も変化していない。同様の検査法のレーゼ・ゴットリーブ法よりもゲルベル法の精度が(0.1%レベルで)高いことが知られている。1950年、バブコック法が公的検査法として認められたが、1985年に通達から除かれた。公的な生乳検査方法は迅速な乳脂肪分析法に求められてきた。 キーワード:マルチャント検乳計、バブコック法、ゲルベル法、レーゼ・ゴットリーブ法

<コメント>

 牛乳取引の基準となる乳脂肪率検査法に関して、日常的測定法であるゲルベル法やバブコック法等の歴史的展開の差異を技術的に考察され記述されている。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000j5tk.html

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2015年9月21日