2014年
著者:細野 ひろみ
所属:東京大学大学院農学生命科学研究科

  • 社会文化
  • マーケティング

要旨

震災以降、被災地とくに福島県産食品の安全性に対する懸念が広がった。本研究では、東京都および福島県の小学校における給食での被災地(福島県)産食品の利用状況を整理し、学校給食における福島県産食品利用への保護者の態度と情報との関係を探った。また、ここで得られた結果をもとに、情報提供動画を作成し、Web 調査によりその効果を検証した。福島県産食材の利用については、県内では米・乳の利用は回復が見られるが、肉類は限定的であること、東京都では回避が続いていることが示された。リスクの判断基準として、福島県では「検査」を、東京都では「産地」を参考にする傾向にある。一方で、東京都では、復興支援に対する意識も強い。Web調査の結果からは、「放射性物質のリスク情報」と比べて、「被災地農業の現状を伝える情報」のほうが、福島県産牛乳に対する評価の回復が大きいことが示された。
※平成26年度「乳の社会文化」学術研究

2016年4月15日