2008年
著者:中村和照
所属:筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻

  • 健康科学
  • リラックス安眠効果

要約

食べ方と肥満についてこれまで語られてきた経験則や断片的な知見をまとめると、食事制限による摂取エネルギーの減少や運動による消費エネルギー増大といったエネルギー収支への直接的な介入に加えて、食べ方を含めた生活習慣の改善がエネルギー代謝の僅かな不均衡を解消し、肥満予防効果を発揮する可能性も考えられる。本研究では食べ方と肥満についての先行研究を総説した後、夕食の時刻が睡眠時エネルギー代謝に及ぼす影響についてヒューマン・カロリメータによる間接熱量測定で実験的に検討した。遅い時刻に夕食を摂取すると、連常の食事に比べてエネルギー消費量は睡眠時に優位に高値、夕食時に低くなる傾向を示す。RQは夕食時に有意に低値、睡眠時に高値を示した。脂質酸化量は睡眠時に低下する傾向を示し、炭水化物酸化量は夕食時に有意に低値を示した。血糖値は夕食時に有意に低値、睡眠時に高くなる傾向を示した。就寝直前に夕食を摂取するとエネルギー消費量や酸北基費の内訳、血糖値などに影響を与えることが示唆されたが、今後は望ましい会習慣について食事の栄養組成だけでなく摂取時間も考慮していく必要があると考えられる。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p000001ahym.html
キーワード:
ヒューマン・カロリメー夕間接熱量測定食生活生活習慣

2015年9月18日