2008年
著者:樋口満
所属:早稲田大学スポーツ科学学術院

  • 健康科学
  • その他

要約

運動前に骨格筋ならびに肝臓のグリコーゲン濃度をより高めておくことは、持久性パフォーマンスに効果的であると考えられている。糖質はタンパク質と同時に摂取することで、骨格筋への取り込みが高まり、筋グリコーゲンの回復に効果的である可能性が示唆されている。そして、近年では、牛乳由来のタンパク質、特にホエイタンパク質の研究が盛んに行なわれているが、牛乳自体を摂取した場合のエネルギー基質の回復に及ぼす影響は明らかではない。本研究の目的は、運動後に牛乳を摂取することが、骨格筋および肝臓のグリコーゲン再合成、さらには超回復に及ぼす影響を検討することであった。実験にはSD系オスラットを用いた。全てのラットには、1週間の水泳運動トレーニングを行わせ十分にトレーニングされた状態にて、グリコーゲンを一旦減少させる目的で一過性の水泳運動を行わせた。その後、通常飼料に加えて、飲料として牛乳もしくは無脂肪乳、ならびに我々の先行研究でもっとも効果的に筋グリコーゲン超回復を惹起する5%のグルコース溶液を摂取させ、7時間もしくは24時間グリコーゲンを回復させた。その結果、牛乳および無脂肪乳を飲料として摂取した場合では、安静レベルにまでには筋グリコーゲンが回復するものの、グルコース溶液を摂取した場合ほどには、筋グリコーゲン超回復が生じない可能性が示唆された。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p000001ahym.html
キーワード:
牛乳乳タンパク運動骨格筋

2015年9月18日