2006年
著者:山岡節子
所属:光塩学園女子短期大学食物栄養科

  • 健康科学
  • 骨・筋肉・体脂肪量調節・運動機能・スポーツ

要約

2、30年後には4人に1人が65歳以上となると推計されており、超高齢化社会への対応が急務とされている。そこで「健康日本21」では国民の健康寿命の伸展や生活の質の改善に向けてさまざまな取り組みがなされ、特に食生活のあり方は生活習慣病の一次予防として重要であるが、若い世代では、社会の多様な価値観を反映するような食習慣がみられると同時に、食生活の乱れが指摘され、また、依然としてCaの摂取量が不足している実態も報告されている。本研究では、本学で実施されている栄養バランスの良い給食に加えて、体内でのCa 吸収率が高く、その上摂取が容易である牛乳を摂取することでCa摂取不足を改善し、それによって骨代謝にどのような効果が生じるか、と同時に、爪のミネラル塩量が骨の代謝マーカーになりうるかの検討を行った。
夏から冬にかけて行われた栄養介入であったため、体脂肪率に多少の上昇は見られたが、中性脂肪や総コレステロールは介入前後で低下し、効果的に生活習慣病のリスク軽減効果もあることが明らかになった。また、骨代謝においても、形成マーカー(オステオカルシン)では有意な上昇が認められ、骨吸収マーカー(DPD・NTx)では有意な低下が認められ、Ca 強化による骨代謝回転において顕著な効果が示唆された。
しかし、栄養介入前の健診で採取された尿や血液のサンプルから得られたこれら骨代謝マーカーとその約40日後に採取された爪サンプルに含まれるミネラル塩濃度との相関は認められなかった。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p000001a8l5.html
キーワード:
Ca栄養介入爪のミネラル塩濃度骨代謝マーカー

2015年9月18日