2006年
著者:屋 代 正 範
所属:福岡教育大学

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

要約

A.栄養アセスメント
本研究では栄養アセスメントとして、牛乳常飲者及び牛乳非常飲者を対象とし、日常的な牛乳摂取が体脂肪率、骨梁面積率、さらに運動時における血中オステオカルシン、血清グルコース、血清遊離脂肪酸、血清分岐鎖アミノ酸(以下、BCAAと略す)、血中クレアチンキナーゼ(以下、CKと略す)などの変動に及ぼす影響について比較、検討を行い次のような結果を得た。
1.体脂肪率は牛乳常飲者の方が牛乳非常飲者よりも低い傾向を示した。
2.骨梁面積率は牛乳常飲群が牛乳非常飲群と比較し、高い傾向を示した。
3.血中オステオカルシンレベルは牛乳常飲群及び牛乳非常飲群のいずれにおいても、運動後に増加する様子にあった。
4.安静時血清グルコースレベルは、牛乳非常飲群に比べ牛乳常飲群の方が低い様子にあった。また、牛乳常飲群及び牛乳非常飲群のいずれも運動前と比較し運動後の血清グルコースレベルが減少する様子がみられた。
5.血清遊離脂肪酸レベルは、牛乳常飲群及び牛乳非常飲群のいずれにおいても運動後に有意に増加した(p<0.01)。
6.血清BCAAレベルは牛乳常飲群において運動前と比較し運動後で減少する傾向を示し、牛乳非常飲群においては運動前と比較し運動後で増加する傾向を示した。
7.血中CKレベルは牛乳常飲群、牛乳非常飲群ともに運動前と比較し運動後で増加する傾向がみられた。
B.介入実験
栄養アセスメントに対する介入実験として、牛乳非常飲者を対象とし、45日間(1ℓ/day)の牛乳摂取を行い、牛乳摂取実験開始前及び牛乳摂取実験終了後の体脂肪率、骨梁面積率、さらに運動時における血中オステオカルシン、血清グルコース、血清遊離脂肪酸、血清BCAA、血中CKなどの変動に及ぼす影響について比較、検討を行い次のような結果を得た。
1.体脂肪率は牛乳摂取実験開始前と比較し牛乳摂取実験終了後で上昇する様子にあった。
2.骨梁面積率は牛乳摂取実験開始前と比較し牛乳摂取実験終了後で増加する傾向にあった。
3.血中オステオカルシンレベルは牛乳摂取実験開始前、牛乳摂取実験終了後のいずれにおいても運動後に増加する傾向にあったが、その増加率は牛乳摂取実験終了後の方が牛乳摂取実験開始前に比べ高い様子を示した。
4.安静時血清グルコースレベルは牛乳摂取実験開始前に比べ牛乳摂取実験終了後に減少する傾向にあった。また、牛乳摂取実験開始前と比較し牛乳摂取実験終了後は運動時の血清グルコース利用が抑制される様子にあった。
5.血清遊離脂肪酸レベルは、牛乳摂取実験開始前、牛乳摂取実験終了後ともに運動前と比較し運動後で有意に増加したが、牛乳摂取実験終了後においてより顕著に増加する様子にあった(牛乳摂取前;p<0.05,牛乳摂取後;p<0.01)。
6.血清BCAAレベルは牛乳摂取実験開始前、牛乳摂取実験終了後ともに運動前と比較し運動後で増加する様子がみられ、牛乳摂取実験開始前においてその差は有意なものであった(p<0.05)。
7.血中CKレベルは牛乳摂取実験開始前、牛乳摂取実験終了後ともに運動前と比較し運動後で増加する傾向がみられた。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p000001a8l5.html
キーワード:
牛乳唾液IgA免疫指標唾液クロモグラニンA

2015年9月18日