ミルクタンパク質摂取による中枢性疲労抑制の可能性:運動能力向上への関与
2004年
著者:伏木亨
所属:京都大学大学院農学研究科食品生物科学専攻栄養化学分野
要約
ミルクタンパク質の運動能力向上に対する効果を研究した。マウス最大遊泳能力で測定した場合、市販の固形飼料に比べカゼインをタンパク質源とした飼料を与えた方が有意な運動能力の向上を示した。この運動能力の向上は動物へのトレーニングの有無に関わらず観察された。この向上のメカニズムを調べるため、ラットでカゼイン、およびホエーをタンパク質源とする飼料で飼育したところ、呼吸交換比の低下と脂肪代謝量の増大が見られた。これは持久運動に優位な代謝状態だと考えられる。また一定の走行負荷を与えた時、中枢性疲労の指標と考えられる脳内TGF-βの濃度がミルクタンパク質を摂取している群で低く抑えられたことから、疲労感の発生も抑制されていることが予測できた。このようにミルクタンパク質は持久運動に対して末梢組織だけでなく中枢神経系の活動にも影響を与えることが示唆された。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/8d863s000004dmbk.html
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https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/8d863s000004dmbk.html
- キーワード:
- カゼインホエー運動骨格筋