2002年
著者:金丸義敬
所属:岐阜大学農学部生物資源利用学科

  • 健康科学
  • 免疫調節・がん

要約

牛乳α-ラクトアルブミンはラット小腸由来培養細胞であるIEC-6の増殖に対して用量依存的に顕著な阻害作用を示す。本研究は、この作用がアポトーシスを介した細胞死の誘導に起因することを明らかにした。また、すでに報告されている人乳α-ラクトアルブミンと同様、市販の牛乳α-ラクトアルブミン標品ばかりでなく通常の牛乳から抗体特異的に精製したα-ラクトアルブミンも同様の作用を示したことから、この作用はα-ラクトアルブミン固有の特性とすることが出来る。阻害作用は多量体を含むフラクションに認められ、また、加熱や還元アルキル化によって容易に消失することから、フォールディング変異体の関与が示唆される。我々が見出した牛乳α-ラクトアルブミンの作用の意義は、不都合な状態に陥った腸の細胞の速やかな除去にあることが推察されることから、動物実験による効果の検討が望まれる。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021dl2.html
キーワード:
:牛乳タンパク質α-ラクトアルブミンフォールディング変異体IEC-6細胞

2015年9月18日