2002年
著者:藤田敏郎
所属:東京大学医学部腎臓・内分泌内科

  • 健康科学
  • その他

要旨

カルシウム代謝異常症において、カルシウム排泄を制御することにより、血中カルシウム濃度および腎機能にもたらされる影響について検討した。その背景には、尿路結石症や副甲状腺機能障害においてカルシウム摂取及び排泄をどのように制御することがカルシウムバランスや腎機能の維持に有効であるのか不明な点が多く残されていることが挙げられる。本研究では特に、尿中カルシウム排泄が亢進している、カルシウム感知受容体遺伝子異常症(常染色体優性低カルシウム血症)の症例を対象とし、検索を行った。その結果、腎機能は尿中カルシウム排泄量よりもむしろ血中カルシウム濃度の上昇により悪化する傾向が認められ、従来尿中カルシウム排泄の抑制に好んで用いられているサイアザイド利尿薬よりもむしろ塩分制限の方が、腎機能の改善には有効である可能性が示唆された。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021dl2.html
キーワード:
カルシウム腎機能カルシウム感知受容体サイアザイド

2015年9月18日