2001年
著者:管野長右ェ門
所属:宇都宮大学・農学部

  • 健康科学
  • 骨・筋肉・体脂肪量調節・運動機能・スポーツ
  • 消化吸収・栄養代謝・乳糖不耐

要約

ラクトフェリン(LP)は1.17mg/g proteinのカルシウム結合力を有しており、これは乳脂肪球膜(MFGM)、カゼインホスフォオペプチド(CPP)と同程度であることが明らかになった。MFGMに関しでは、CPPを指標に、ラットを用いたin vivoにおけるカルシウム取り込み実験を行った。標準飼料を投与した場合に比べ、CPP、MFGM食群で血漿カルシウム濃度の増加の時間が少し長くなるとともに、その増加割合もCPPでは標準食の20倍、MFGMでは標準食の10倍程度の増加を示した。4週間飼育では、各群の骨破断断力、破断エネルギー値に有意な差は認められなかったが、8週間飼育においては、MFGM食群は骨破断力、破断エネルギー値ともに標準食群より有意に高い植を示した。それに対してCPP食群は標準食群より高い値を示したが、有意な差は認められなかった。摂取カルシウム量に対する骨強度増加の割合を求めた結果、摂取カルシウム量の差により、骨強度差が認められた可能性が示唆された。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021dt1.html 

2015年9月18日