糖尿病性骨症の発症とビタミンD代謝ならびにカルシウム代謝異常の解明に関する分子生物学的研究
2001年
著者:新木敏正
所属:昭和大学歯学部生化学教室
はじめに
近年本邦は急速に高齢化社会へと移行しカルシウム代謝が負に陥ることによって発症する骨粗鬆症患者が増加している。また、食生活の欧米化に伴って糖尿病、循環器障害が増加している。特に、糖尿病は腎症を発症して腎不全に至り人工透析導入の最大のリスクファクターになっている。糖尿病性腎症は他の腎障害と異なり、血清副甲状腺ホルモンが低値を示し、活性型ビタミンDが低下して骨の代謝回転が低下する低代謝回転化を特徴とした骨の脆弱化が問題になっており、二次性副甲状腺機能亢進症とは異なる骨障害であることが知られている。しかし、糠尿病性腎症では何故、PTHが低下して活性型ビタミンDの合成障害が起こるのか、その機序は明らかでない。そこで、本研究はストレプトゾトシン投与により発症させた糖尿病モデル動物を用いてビタミンD代謝障害が起こる機序を明らかにするために計画された。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021dt1.html
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