2000年
著者:金子佳代子
所属:横浜国立大学教育人間科学部

  • 健康科学
  • 骨・筋肉・体脂肪量調節・運動機能・スポーツ

要約

運動部に所属する学生・生徒のスポーツ栄養に関する興味・関心をとらえて、主体的な学習を支援する教材を開発し、家庭科の食物学習等に導入することによって、知識を実際の食生活とかかわらせて理解し、実践するスキルを育成することを目的として、以下の研究を行った。
1 スポーツ栄養に関する副読本の作成
2 コンピュータ教材の作成
3 中学・高等学校家庭科での授業実践、大学生を対象とした栄養教育介入研究
上記1. 2. を活用し、スポーツ栄養の基礎的内容を取り入れた食物学習の授業または栄養教育を実地した。基礎的な知識を押さえた上で、牛乳・乳製品摂取の必要牲に着目させ、実際の食生活に生かせるよう指導を行った。教育介入前後における栄養に関する知識、牛乳・乳製品摂取に対する意識・行動等の変容についての調査を行い、牛乳・乳製品摂取を促す教育介入の効果を検証した。
(1)中学校における授業研究
学習後、栄養に関する知識の得点が有意に向上し、牛乳・乳製品を多く摂取しようという生徒が増加した。牛乳・乳製品摂取に対する意識・行動では、Transtheoretical Modelに基づいた5ステージのステージが上昇した生徒が多くみられた。
(2) 高等学校における授業研究
牛乳の好き嫌い、摂取量は、男子生徒の方が女子生徒に比べて、牛乳を好きな人が多く、摂取量も多かった。牛乳・乳製品摂取に対する意識・行動では、男子生徒の方が女子生徒より摂取意識が高かった。運動部に所属している「運動部群」と「非運動部群に分けて見ると、男子では「運動部群」の方が摂取意識が高かったが、女子では遠いがみられなかった。栄養に関する無識には男女差、「運動部群」と「非運動部群」との差はみられなかった。
家庭科の授業に副読本を導入したところ、生徒の興味・関心が高く、栄養に関する学習の動機付けとして有効であることがわかった。学習後、栄養に関する知識の得点、が向上し、牛乳・乳製品の摂取状況、牛乳・乳製品摂取に対する意識・行動(5ステージ)にも影響がみられたと考えられる。
(3) 大学運動部(陸上競技)所属学生を対象とした栄養教育介入研究
栄養教育介入群では、介入前に比べて栄養素摂取量、食品群別摂取量が増大した。また、牛乳・乳製品摂取に対する意識・行動(5ステージ)の上昇が認められた。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021e2i.html
キーワード:
牛乳・乳製品栄養教育スポーツ栄養Transtheoretical Model

2015年9月18日