2000年
著者:坂野喜子
所属:岐阜大学医学部生化学教室

  • 健康科学
  • 免疫調節・がん

要約

 牛乳成分のラクトフェリンをペプシンで消化して生ずるペプチドのなかに、骨髄巨核芽球性白血病細胞Meg-01細胞に対して強力なアポトーシス誘導ペプチドを見出し、このペプチド(C1)を精製した。C1がMeg-01に作用すると各種細胞内シグナル伝達系が活性化された。特にホスホリバーゼDの活性化とMAPキナーゼ、のリン酸化が引き起こされ、これらのシグナル伝達経路がアポトーシス誘導と関連していることを示唆した。
また、ラクトフェリン・ペプシン分解ベプチド(LF2) は種々の口腔扁平上皮ガン細胞に対してアポトーシスを誘導した。LF2のがん細胞に対する作用機構を詳しく検索した。LF2は細胞外カルシウム依存性にホスホリバーゼDを活性化し、その活性化経路にMAPキナーゼの活性化が関与していることが分かった。また、がん細胞に対するLF2の作用は、リポポリサッカライド(LPS) の作用と拮抗することが判明した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021e2i.html
キーワード:
ラクトフェリン由来ペプチド白血病細胞アポトーシスがん細胞死

2015年9月18日