1998年
著者:時田章史
所属:順天堂大学医学部小児科

  • 健康科学
  • 骨・筋肉・体脂肪量調節・運動機能・スポーツ

背景・目的

超高齢化社会を迎え、骨粗鬆症による骨折の予防は老齢期のQOLにおいても、また医療経済の面からも重要である。骨粗鬆症の予防は、最大骨密度を増加させることと、老齢期(女性では特に閉経後)の骨密度の減少を抑制することが重要である。近年、骨密度は十代後半にはほぼ最大となることが明らかとなり、骨粗鬆症の一次予防のために小児期より骨密度を高めることの重要性が強調されるようになった。一方カルシウム摂取と骨密度に関する相関には諸説あり、骨密度の測定法、栄養調査法の違いによりその結果に相異が生ずるものと考えられるが、小児期における詳細な報告は少ない。
また小児期の骨の部位による骨密度の相違と各部位との相関を検討することは、骨粗鬆症リスクを小児期のうちに知る為の情報として重要であり、対象となる小児の骨を部位別に様々な機種の骨密度測定器を用いて測定することは意義のあることと考えられる。
今回小学生児童を対象に、栄養調査を4日間の食事記録を留置法により実施し、骨密度は腰椎および大腿骨頚部をDXA法を用いて測定し、カルシウム摂取量およびその内に占める牛乳摂取量の割合、またビタミンD摂取量などが骨密度に及ぼす影響について検討したので報告する。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021epa.html 

2015年9月18日