1998年
著者:橋本勉
所属:和歌山県立医科大学公衆衛生学

  • 健康科学
  • 骨・筋肉・体脂肪量調節・運動機能・スポーツ

はじめに

老人の骨折は骨粗鬆症を基盤としておこり、Quality of lifeを著しく阻害する。骨粗鬆症及びそれに伴う骨折の予防は高齢化社会における重要な課題となっている。骨粗鬆症の予防のためには、まずその発症要因を明らかにする必要がある。
骨密度低下には加齢、運動、栄養などが関与していることが示唆されている。中でも栄養は運動とともに介入が可能なことから、食生活と骨密度低下の関係を明らかにすることができれば、骨粗鬆症の予防に役立つと考えられる。
骨粗鬆症のような退行性変性疾患の発症要因の究明には前向き(コホート)研究が不可欠となる。しかしコホート研究には被検者である地域住民の協力は勿論、保健所や町役場、地元医師会の協力が必要となりコホート研究を継続実施するには多大の費用と労力を要するため、実施は極めて困難である。幸い、われわれは地域における総合的健康管理を目標に和歌山県下の太平洋沿岸の古式捕鯨で有名になった太地町にコホートを設定し、骨密度変化に及ぼす要因を明らかにするための基盤を確立することができた。本研究は骨粗鬆症予防対策に資するため骨密度変化に関与する要因を明らかにすることを目的とした。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021epa.html 

2015年9月18日