1995年
著者:佐藤雄二
所属:埼玉県立衛生短期大学

  • 健康科学
  • 骨・筋肉・体脂肪量調節・運動機能・スポーツ

概要

埼玉県S町のスポーツ少年団(男子は野球で18名、女子はバレーボールで13名)に小学校時所属していた男女について、被検者本人および保護者に対して十分な説明を行い、双方が同意した場合にのみ、1年に1度、身長、体重、体脂肪率、骨塩量、血中カルシウム調節パラメーター、成長および性成熟関連パラメーター、運動および栄養調査等を実施し、平成6年度から9年度までの4年間にわたって追跡した結果、以下のような傾向を観察することができた。
1) 男子においては、血中ソマトメジン-Cおよびテストステロンの値が上昇してくるに連れて身長の急激な伸び(スパート)がみられ、それと同時かやや遅れて骨塩量・骨密度の増加が観察された。
2) 女子においては、男子同様血中ソマトメジン-Cおよびテストステロンの値が上昇してくるに連れて身長のスパートがみられるが、同時に初経を迎え、その後骨塩量・骨密度の増加が続く傾向が伺われた。
3) 上記の男子および、女子の傾向すなわち第二次性微の発来には個人差があり、暦年齢のみでは判断できないことがわかった。
4) 上記のホルモンおよび骨成長の動きに、骨代謝マーカーは必ずしも連動しなかったが、オステオカルシン、PICPおよびICTPは比較約骨塩量の動きと関連するように思われた。
5) 特に男子において、1年間に骨密度が一過性に減少するケースがみられたが、これは、身長および上腕骨の急激な伸びに対して上腕骨内の骨塩の増加が追い付かないことに原因があるものと思われた。
6) また、このような骨成長に果たす運動と栄養の影響特に牛乳摂取の意義については、少ない事例ではあるが双方とも効主性的であると判断されるが、その程度については、運動と牛乳摂取の有無についてより詳細に検討する必要があろう。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000022lsv.html 

2015年9月18日