1995年
著者:太田壽城
所属:国立健康・栄養研究所健康増進部

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

要旨

1.骨粗鬆症予防におけると牛乳・乳製品の有効性について、牛乳・乳製品の摂取と運動の実施の両面から断面的及び時系列的に検討した。
2. 牛乳を毎日摂取する者の比率は各年代を通じて高く、特に40歳代以降では50%を越える者が毎日摂取していた。また、乳製品は10歳代では比較約よく摂取しているものの、20-30歳代で摂取頻度が減少し、その後は年齢が増すとともに、毎日摂取する者が増える傾向が見られた。
3.骨密度を目的変数、生活習慣の各項目を説明変数とする重回帰分析を行ったところ、どの測定法でも、年齢、体重、生理の状態が大きく影響していた。
4 現在の牛乳摂取はMD法(CXD)を除くすべての測定法で正の関係を示した。過去の牛乳摂取は、MD法とDXA法(DCS-600)でのみ検討したが、いづれも骨密度とは正の関係にあり、現在の牛乳摂取より強く影響していた。
5. 1年後の骨密度の変化を運動との関係で比較すると骨密度の関連では運動をしていない群でCXD法、US法とも骨密度の減少が大きかった。
6. カルシウム摂取量との関係では、CXD法はカルシウム摂取量の少ない群での骨密度の減少が大きかったが、US法では逆にカルシウム摂取量の多い群で骨密度の減少が大きかった。しかし、群により年齢に差があり、調整項目、方法等を検討した上で比較する必要がある。
7. 栄養と運動の両面から骨密度の変化を検討すると、運動無・低カルシウム摂取で骨密度の減少が大きい傾向がみられ、カルシウム摂取得点と運動との関係では、運動有で摂取得点の高い群で骨密度の減少がおさえられていた。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000022ll2.html 

2015年9月18日