1995年
著者:梅村義久
所属:中京大学体育学部

  • 健康科学
  • 骨・筋肉・体脂肪量調節・運動機能・スポーツ

緒言

加齢とともに増加する骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムの摂取や適切な身体運動等が有用であることが指摘されている。日本人は欧米人に比べてカルシウムの摂取量が少ないことが知られており、この一因として牛乳を始めとする乳製品の摂取量が不足していることが指摘される。一方、身体運動については、どの様な運動様式が骨量増加に効果的であるかの検討は充分でないものの、骨に荷重を加えることにより骨密度が増加し、骨強度が増す事実については広く知られている。しかし、身体運動とカルシウム摂取の格互作用の影響について、詳細な検討を加えたものは少ない。適切な身体運動に、適切なカルシウム摂取が加われば、相加的な効果が期待される可能性がある。
我々はラットを用いて骨重量を増加させ骨強度を高める運動様式について研究をしている。そして、ジャンプトレーニングはランニングよりもラットの下肢の骨重量を増加させ、骨強度を高めるトレーニング様式として優れていることを、これまでの研究において報告してきた。ジャンプトレーニングにおいては足に加わる衝撃の回数は限られるが、衝撃の強度を強く設定することができるため骨への影響が大きいものと考えられる。これに対してランニングでは衡撃の回数は多いが、個々の衝撃は比較的小さいため骨に対する効果が限られると考えられる。しかし、これまでの研究においてはカルシウム摂取については通常食を与えるだけで、詳細な検討は行っていない。
そこで、本研究においてはラットにジャンプトレーニングをさせたうえ、通常食以外に牛乳を付加することでカルシウム摂取量を増加させる。このことが骨量・骨強度に及ぼす効果について検討をすることを目的とした。また、ジャンプトレーニングの前あるいは後に牛乳を与えるグループを設けて、牛乳によるカルシウム摂取の効果約なタイミシグについても検討を行なった。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000022ll2.html 

2015年9月18日