1995年
著者:阿部敏明
所属:帝京大学医学部小児科学教室

  • 健康科学
  • 乳児・周産期・女性の健康

要約

日本人の初乳、母体血・臍体血における脂肪酸組成の検討を行った。分娩時の母親より得た初乳、36検体と、2種類の育児用粉乳の脂肪酸組成を分析した。母体血と臍体血は85組の脂肪酸組成を分析し、相関性を検討した。総脂肪酸、16:1、18:2、20:4、22:6に相関牲があり、16:0,18:0、18:1には相関性は認められなかった。
次に、出生前からのコレステロールの代謝を合成系の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素、細胞にコレステロールを供給する役割をもつLDLレセプターのmRNAの発現量をマウスの脳、肝臓、腎臓を用いて解析した。
その結果、HMG・CoA還元酵素の出生前、オリゴデンドロサイトの増殖時およびミエリン形成期における脳での発現量の増加が認められた。肝臓、腎臓では細胞増殖時による変動を認めたのみであった。また、LDLレセプターのmRNAの発現量に大きな変動は認められなかった。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000022lsv.html

2015年9月18日