1995年
著者:村田光範
所属:東京女子医科大学付属第二病院小児科

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はじめに

近年、日本人の生活も欧米化し、乳製品も多く出回っているが、栄養学的にみると、日本人で唯一不足しているのはカルシウムであるといわれ、これが成人の骨粗しょう症の誘因となっていることも知られている。牛乳は、良質なタンパク賞、カルシウムに富むばかりでなく、人体でのカルシウムの吸収効率が、他のカルシウム含有食物と比ベ最も良い点、摂取するのに手っ取り早く、しかも安価である点からも、牛乳摂取を、特に成長期の子供に推奨していくことは好ましいことである。しかし、牛乳を飲むと腹部症状が出現する、いわゆる乳糖不耐症は、日本人には多いといわれており、さらに牛乳摂取を推進する上で支障となりかねない。そこで本研究では、最近の日本人の牛乳・乳製品の摂取状況を把握するとともに、乳糖不耐症の出現頻度を調査し、乳糖不耐症の存在が牛乳摂取をさらに推奨する上で妨げとならないかどうかを、次の項目に分けて検討した。
I.日本の小中学生における牛乳・乳製品摂取量及び乳糖不耐症状に関する調査。
Ⅱ. 乳糖不耐症を診断するための乳糖負荷試験において、日常生活に即した負荷量を検討する。
Ⅲ. Ⅱで検討した負荷量で乳糖負荷試験を行い、日常生活に支障をきたす乳糖吸収不良者(乳糖不耐症)の出現率を学年別に調査するとともに、普段の牛乳・乳製品の摂取量及び摂取持の腹部症状、
さらに負荷試験中の腹部症状も調べ、その相関性を検討する。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000022lsv.html

2015年9月18日