1995年12月01日
著者:田中明
所属:東京医科歯科大学第三内科

  • 健康科学
  • 生活習慣病予防
本研究の目的は乳製品摂取のレムナントリポ蛋白および糖化リポ蛋白に及ぼす影響を明らかにすることである。
レムナントリポ蛋白は容易にマクロファージに取り込まれ、その結果、マクロファージは泡沫化し、動脈硬化巣を形成することから、レムナントリポ蛋白は動脈硬化を惹起するリポ蛋白として知られている。最近(1993年)、我々はレムナントリポ蛋白量を反映し、簡便な操作で測定可能なレムナント様リポ蛋白(RLP)コレステロール検査法を完成した。
一方、我々は、ほう酸カラムおよびリポ蛋白分析用カラムを用いた高速液体クロマトグラフィ一法による糖化リポ蛋白測定法を完成した。本法は少量の検体で、簡便に、すべての分画の糖化リポ蛋白(糖化LDLのみでなく糖化HDLなども)が測定可能である。糖化LDLはレムナントリポ蛋白と同様に、容易にマクロファージに取り込まれ、その結果、マクロファージは泡沫化し、動脈硬化を惹起するリポ蛋白として知られている。しかし、糖化HDLなど他の分画については、動脈硬化との関連は未だ不明である。
乳製品は日本人の摂取する食品の中で散もポピュラーなものの一つであり、国民の健康に及ぼす影
響は大きいことが考えられる。したがって、乳製品(牛乳、パター、マーガリン、ヨーグルト、アイ
スクリーム)のレムナントリポ蛋白および糖化蛋白に及ぼす影響を検討することは有意義と思われる。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000022ll2.html

2015年9月18日