1994年
著者:上野川修一
所属:東京大学大学院農学生命科学研究科

  • 健康科学
  • 免疫調節・がん

目的

理想食品である乳は、栄養源になるだけではなく多くの望ましい生理機能を有している。しかし、その機能については必ずしもすべては明らかになっていない。たん白質成分のほかに脂質・糖質にも、多くの生理機能を有した成分があると考えられ、牛乳中の成分でヒトに有効なものも多いと考えられる。中でも脂溶性ビタミンの生理効果は古くから知られているが、そのほかの成分や機能について、さらに多くの研究が必要とされている。食品成分は後口摂取することによって体内に到達し、免疫系、神経系、分秘系その他の生体に根幹約な主体調節機能を発揮しており、この食品成分の情報素子を“経口シグナル"と促えることができる。そこで本研究では、牛乳中の脂質・糖質画分中の成分の経口シグナルとしての作用を明らかにする目的で、小腸上皮細胞に対する細胞機能の調節を調べた。経口摂取した栄養成分は小腸から吸収されるので、食品成分と小腸細胞との相互作用を解析することは、経口シグナルを研究するうえで重要である。本研究では終に、レチノイン酸(RA)の効果を中心に解析した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021rh3.html

2015年9月18日