1993年
著者:家森幸男
所属:京都大学大学院人間・環境学研究科

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

研究目的

21世紀は先進工業国も開発途上国も共に心筋梗塞、脳卒中など循環器疾患が死因の第1位になるとWHOは予測している。特に、急速に高齢化が進みつつある我国では、循環器疾患の予防はすこやかな長寿の実現のため益々重要となって来ている。家森はかつて日本人に多かった脳卒中は血中のコレステロールが低すぎることが原因となり、蛋白質、とりわけミルクなどを充分摂ることで予防できることを示したが、血中コレステロールが徐々に増加しつつある今日、脳卒中は減少しつつあるが心筋梗塞の増加が予測され、この予防対策の確立が焦眉の急となって来ている。そこで、これまでの研究で心筋梗塞の予防に有効であることを明らかにして来たn-3系多価不飽和脂肪酸や含硫アミノ酸、あるは抗酸化作用などの動脈硬化予防に有効な微量元素などを多く含む牧草ないし飼料を開発し、さらに発酵のプロセスを改良することによって、有効な脂肪酸、アミノ酸や微量元素を一定割合以上に含む‘健康'乳製品を開発し、21世紀の日本人、あるいは人類のすこやかな長寿実現に寄与するのが研究の目的である。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021tvd.html

2015年9月18日