1993年
著者:太田考男
所属:熊本大学医学部小児科

  • 健康科学
  • 生活習慣病予防

はじめに

血清脂質レベルと動脈硬化性心疾患との関連は多くの疫学的研究から明らかである。最近、ミルク蛋白が血清脂質レベルに良い影響を与える事が報告されている。実際、母乳栄養児では脂肪摂取量が多いにもかかわらず、血清コレステロール値は上昇しない。これは、母乳の主要蛋白成分である乳清蛋白のコレステロール上昇抑制作用によると考えられている。病理学的研究によれば、動脈硬化病変はマクロファージが変性LDLを取り込み泡沫細胞化する事からスター卜する。そこで、私達は乳清蛋白がコレステロール上昇抑制作用のみならず、細胞レベルでの抗動脈硬化作用をも有している可能性を考え、マクロファージの変性LDLによる泡沫細胞化に対する乳清蛋白及び乳清蛋白に含まれる各種蛋白の影響について検討してみた。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021tvd.html

2015年9月18日