1993年
著者:保崎純郎
所属:東京医科歯科大学医学部保健衛生学科

  • 健康科学
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はじめに

近年、食事や社会生活の変化から、成人病の比重が増している。これらは、小児期から顕在化、あるいは潜在して進行している可能性があり、この予防を小児期から行うことは重要なことと考えられる。そこで、小児期においても成人病予防を目的とした検診が実施されている。そして、その検診は受診者の負担が少なくハイリスク児に対して適切な判定が下せる検診システムの確立が望まれている。
日本学校保健会が作成した「こどものための成人病予防検診システム」は、成人病の危険因子の総合評価を点数化して示し、その後の管理指導の指針としており、このような検診の基本となる精度の高いシステムであるが、その判定に際し血液検査より得られる項目を含むため採血を要し、その点は小児に負担となっている。
我々は、この「検診システム」の点数と各要素を比較検討し、より負担の少ない方法での判定の可能性について検討してきた。その結果、危険因子スコアの高い群は、主に総コレステロール値、家族歴、肥満度と強く関係していることを示した。そこで、今回はこのうち、採血による項目である総コレステロール値と採血によらない他の因子との関係を詳細に検討した。また、一部の児童に対しては牛乳摂取量の調査を行い、同様に総コレステロール値などとの関係を検討した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021tvd.html

2015年9月18日