1993年
著者:板倉弘重
所属:国立健康・栄養研究所臨床栄養部

  • 健康科学
  • 高齢者
  • 生活習慣病予防

はじめに

牛乳の成分としてたんぱく質、脂質、糖質、無機質、ビタミン、水などがあげられるが、牛乳と健康との関連で問題とされているのは脂質である。飽食時代を迎えて栄養の過剰摂取による肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧が主要な成人病として注目され、これらに引続いて発生する虚血性心疾患や脳血管疾患は主要な死因となっている。
脂質は高エネルギーの栄養素であり、脂質を含む食品の摂取が多くの成人病のもとになるのではないかと問題視されているのが現状である。
普通牛乳100gには脂質が3.2-3.5g含まれ、その大部分は脂肪酸である。コレステロールは11mg含まれているが、わずかであり、牛乳の脂質としては牛乳に含まれている脂肪酸の生体に及ぼす影響が問題である。そこで脂肪酸の脂質代謝に及ぼす影響をみるために今回は培養細胞を用いて検討を行った。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021tvd.html

2015年9月18日