1992年
著者:及川眞一
所属:東北大学第三内科

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

はじめに

牛乳・乳製品常用者は長寿であることが信じられている。しかし、血清脂質・リポ蛋白代謝に対する影響については必ずしも明確にされていない。牛乳・乳製品摂取後の血清脂質、特にコレステロールの変動について興味が持たれる。高比重リポ蛋白(HDL)は脱泡沫化あるいは抗泡沫化作用により、抗動脈硬化作用を有するリポ蛋白である。またこのリポ蛋白はそのアポ蛋白組成の差異から2種類に分別される。すなわちアポ蛋白A-Iとアポ蛋白A-2を同時に有するHDL粒子(LpA-1 with A-2すなわちLp(w)粒子)とアポ蛋白A-Iのみを有するHDL粒子(LpA-1 without A-2すなわちLp(w/o)粒子)である。これらはいずれも細胞内のコレステロール含有を低下させる作用を有している。特にLp(w/o)粒子はそのアポ蛋白組成から脱コレステロール作用がより大であろうと期待される。本研究ではこのようなHDLのアポ蛋白組成特異粒子に注目し、その構成比の変化を検討した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021uzy.html

2015年9月18日