1992年
著者:山口正弘
所属:順天堂大学・体育学部栄養生化学

  • 健康科学
  • その他

研究目的

 いろいろの国際競技大会などで見られるように、日本人の体力が外国人より劣っている面が多い。このことは遺伝的なものもあるが、食生活の違いによる因子も大いに考えられる。この一つに牛乳摂取量がある。牛乳を十分摂取することにより、スポーツ競技に対して体力を向上させることが出来るかどうかを検討するのが本研究の目的である。
運動トレーニングには常に筋肉疲労が伴う。トレーニング効果を高めるには速やかに、しかも十分な筋肉疲労の回復が必要である。
平成元年-3年までの「発育過程の運動トレーニング・ラットの体力に及ぼす牛乳および砂糖の影響」に於ける結果は:1)十分牛乳を摂取した発育過程の運動トレーニング・ラットは自発的運動量を減少した。2)この運動トレーニング・ラットの脚筋にグリコーゲンが著しく蓄積していた。
筋グリコーゲン量が持久的運動能力の制限因子の一つであることはよく知られている。疲労困懲まで走運動すると脚筋グリコーゲンは枯渇し、走運動が不可能となる。この筋肉の機能を回復または、機能を高めるには速やかな筋グリコーゲンの再補充および過補償現象を引き起こさせることが重要である。
既に得られた結果(2))を用いて、牛乳による筋グリコーゲンの過補償現象のメカニズムを明らかにし、筋肉疲労のより速やかな回復と、筋肉機能の向上を検討する。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021uzy.html

2015年9月18日